「エンジニアとして5年経ったし、そろそろ転職を考えてみようかな」
「今の会社は給料が安すぎる気がする・・」
「一緒に働くメンバーは良くて楽しいのだが、やっている仕事が楽しくないし、役に立たなそう・・」
そんな悩みを抱えるあなたへ。
エンジニアとして勤務し、転職活動を経験した筆者より転職活動の重要性を解説します。
「まだ転職しないとしても、他社の評価は聞いてみたい」と考えているあなたに役立つ内容です。
転職を考えずともエンジニアが転職活動すべき理由
「将来的には転職すると思うけど、まだ転職はしなくても良いや」
と考えているあなたこそ、今すぐ転職活動を始めるべきです。その理由として以下があります。
自分の市場価値がわかる
転職活動によって自分の市場価値がわかります。
あなたが今「現職で適正な評価を受けられていない」と感じるのであれば、現職の上司の目ではなく他社の評価を聞いてみましょう。
エージェントから提示してもらえる案件や、他社からもらったオファーの年収額によってあなた自身の評価を改めて知ることができます。
現職以外から提示される年収が現職と同じであれば「現職の評価も適正である」と納得感を持てるのではないでしょうか。
人間は納得しているか、していないかで行動の精度に大きな差が出るものです。
評価が本当に適正なのか、適正でないのか確認するために転職活動に踏み出してみましょう。

もし本当に適正でなかったことがわかれば、適正な評価をしてくれる会社に転職すればOKです!
本当に転職をするときのヒントになる
今からでも転職活動を始めてみることで、本当に転職をするときのヒントを得られます。
言葉は悪いですが、要するに「練習」として転職活動をすることです(採用担当者の皆様、本当にごめんなさい)。
もちろん、転職活動期間中は本気で取り組む必要があります。
しかし「最悪落ちても良い」と思いながら転職活動ができるため、変に空回りする可能性が低いです。また落ちたとしても企業やエージェントからフィードバックをもらえれば次に繋げられます。
「業界の将来展望を聞いた質問に対しての答えが甘かった」「会社への貢献ではなく自分がやりたいことにベクトルが向いている」など、具体的なフィードバックを得ることで、実際にどんな回答をすれば良いかわかるでしょう。
面接練習自体は面接を受けなくてもできます。しかし、本当に企業担当者を相手として面接を経験しておく方が、本腰を入れて転職活動をする際にも活かしやすいです。
現職で取り組むべき業務やポジションがわかる
転職活動によって「どんな業務スキルや経験があると有利なのか」の理解につながります。
先述した本当に転職するときのヒントにもつながる話です。
実際に募集要項には「Pythonのプログラミングの経験が3年以上」のように、技術名と年数が書いてあります。また書類選考でフォーマットに「開発経験があるプログラミング言語」「OSのバージョン」など記載する箇所があります。面接では「マネジメントの経験はありますか?」など書類で問われなかった質問が来ることもあるでしょう。
転職活動を通じて、将来的に働いてみたいと考える企業の募集要項や、質問事項を踏まえ現在の自身とのギャップを発見しましょう。そしてギャップを埋められるように現職の部署異動や、日々の学習に繋げてみてください。
エンジニアが転職活動をする前に準備しておきたいこと
業務経験の洗い出し
先述した本当に転職するときのヒントにもつながる話です。特にエンジニアとして転職する際は「何ができるのか」「何をやってきたのか」が重要視されます。定性的にも定量的にもアピールする必要があるからです。
例として営業職の転職活動の場合は「xxの法人営業をやってきました。X件受注し、Y円売り上げました。」と、具体的な数字による(定量的な)アピールになります。一方で、企画職の場合は「新規事業の企画立案とプレゼンを担当しました」と定性的なアピールをすることになるでしょう。
エンジニアの転職活動は定量的にも定性的にもアピールすることが求められます。「Pythonでコンフィグ作成を自動化しました。その結果、工数を20%削減できました」という具合です。
取得済み資格の洗い出し
経験に関連することですが取得済み資格も洗い出しておきましょう。取得済みは失効している資格も含みます。
このとき「業務で必要だから取ったのか」あるいは「自分で進んで取ったのか」を整理しておくことも大切です。
業務で必要だった場合はどんな業務に必要だったのか、自分で進んで取った場合はなぜ取りたいと思ったのか、を伝えられるよう準備しましょう。
「なぜその道を選んできたのか」を語れるようにしておく
人生はそれぞれ意思決定のタイミングがあります。学生であれば進路や就職、社会人であれば転職や部署異動などです。
それぞれの意思決定をどのような理由で判断してきたのか、を語れるようにしておくことが求められます。
「なぜ大学で〇〇を学んだんですか?」「なぜ会社に入社したのですか?」こういった質問が聞かれます。
理由として、転職時の「なぜうちに来たのか」の一貫性を見るためだと筆者は考えました。あまりにかけ離れた理由だと「その場しのぎをしているんだな」と聞こえてしまうためです。
例として、大学で学んだ分野と就職先の業界が近い場合「もともと学生時代から興味を持っていたテーマを、実社会で活かしたいと思った」という流れを語れれば、一貫性が見えて説得力が増します。
重要なのは、自分の意思決定に筋が通っていることを説明できるかどうかです。筋が通っていれば、多少のキャリアチェンジや方向転換があっても「計画性を持って行動している」と受け止めてもらえます。
過去の選択について語る際には「その決断によって何を得たのか」まで整理しておくと、面接官に対して自己成長のプロセスを伝えることができます。例として、「この会社を選んだのはプログラミングを学ぶためで、そこでプログラミングスキルだけでなく、チームでの開発することの難しさを学びました」といった形です。
最終的に面接で問われているのは、「なぜ今この会社を選んだのか」が自分の過去の選択とつながっているかどうかです。これを語れるようにしておくことで、採用側に強い納得感を与えることができるのです。
技術質問の練習
エンジニアが転職をすると、技術質問が飛んでくるケースがあります。中途採用の場合は「この人は本当に即戦力なのか」を見分けるためです。
例として「ブラウザでWebサイトにアクセスしたときの通信やサーバーの処理がどのような流れで行われるのか解説できますか?」といった質問がきます。HTTPやDNSによる流れを解説できるようにしておきましょう。
どんな質問が来るのか読めないため、対策が難しいところですが、答えられる範囲で答えましょう。わからない場合は素直に分かりませんと伝えるべきです。
転職活動における注意点
転職活動における注意点として以下があります。
自分だけでなく、転職先や周囲への配慮も忘れないことが大切です。
転職後の具体的な年収は合格しないとわからない
転職後の具体的な年収は書類や面接の試験に合格し、内定をもらってからではなければ分かりません。
筆者は転職エージェントと話せば、ある程度自分が転職した場合の年収が見えてくると思っていました。その点は半分正解で半分間違いです。
転職エージェントと話すと案件の紹介が来て「500~1000万」のような形で表示されます。このようにざっくりはわかるのですが、本当に知りたい市場価値はもう少し詳細な数字ですよね?
結局、転職活動によって内定通知書をもらわなければ具体的な金額はわからないと覚えておきましょう。
練習で試験を受けているとは決して言わない
転職先の担当者は時間を割いて書類選考や面接の場を用意してくれています。そういった相手への配慮として練習で試験を受けているとは決して言わないことです。
あなたの本音は「ここはあくまで練習で、この後受ける企業が本命だ」というケースが多々あるでしょう。面接官も多くの採用活動を通じて「この人はうちに来る気はあまりなさそうだな」というのが分かります。
しかし「あなたの弊社への志望度を教えてください」と聞かれた際に「行く気はない」ということを伝えるのはマナー違反です。逆の立場で考えたら「だったら受けないでくれよ」と思うのではないでしょうか。
仮に志望度が低い企業を受けている場合でも、最低限のマナーとして、感謝を忘れずに採用試験に臨んでください。
現職にバレないように転職活動をする
辞職せず、仕事をしながら転職活動をする場合は現職のメンバーにバレないように転職活動をすべきです。
職場や同僚による部分はあると思いますが、基本的にバレてしまうと以下の悪いことが起こります。
- 「あいつ転職しようとしている」と変な噂が立つ
- 同僚の(大抵は負の)モチベーションに影響する
- 周りの目を気にして転職活動が思うように進められなくなる
信頼する仲間にだけ転職活動をすることを伝えて、アドバイスをもらったりフィードバックをすることで支障なく転職活動に集中できます。
転職しなくても転職活動はやっておこう!
転職をしない場合でも転職活動によって多くのものが見えてきます。
仮に、転職活動の結果、本当に転職したい会社が見つかったならばそれはそれで良いことです。
あまり重く考えずに、軽い気持ちで転職活動に臨んでみましょう。